知る・楽しむ

③お櫛田さんと水たき

お櫛田さんと水たきの、蜜月。

「お櫛田さん」の愛称で親しまれる博多の総鎮守・櫛田神社。博多の夏の風物詩「博多祇園山笠」は櫛田神社の御祭神・祇園さまに奉納する神事です。この神事の直会(酒宴)に欠かせないのは、やはり水たきです。

なぜ、水たきなのか? その起源はもはや神職にもわからないそうですが、祭典前に四つ足を食することが御法度の神社で山を舁く男衆の精をつけるために、鶏肉が選ばれたのではないかとのこと。櫛田神社には八角形の珍しい座卓があり、その中央に七輪にかけた鍋が据えられます。七つの流の男たちは、お櫛田さん伝統の水たきを囲んで語り合い、労をねぎらうのです。

→櫛田神社 権禰宜 髙山定史様に詳しくお話を伺いました

水炊きの準備に忙しく立ち回るごりょんさん

ところで、博多の町割を整えた太閤秀吉も町人の自治を守ったように、博多は町の人々の話し合いによって運営されてきました。直会は言わばその縮図。水たきを囲むことによって互いに腹を割って語り合い、町の運営を円滑にしてきたのです。

また、この席でも縁の下の力持ちはごりょんさん。水たきの準備だけでなく、異なる流から集まる場をなごませたり、鍋や酒の進み具合にも目を光らせたりと、心配りが欠かせません。

櫛田神社の直会は夏の山笠だけでなく、秋のおくんち、暮れの夫婦恵比須、2月の節分祭と、季節の祭りの度に行われます。水たきはその際のコミュニケーションツールとして、博多の食文化になっているのです。

「博多祇園山笠」の直会には、山笠ゆかりの承天寺と東長寺のご住職も参加します。神職と僧侶が男衆とともに水たきを囲む光景は博多ならでは。「水たき」が「人と人を繋ぐ」重要な役目を果たしていることを感じさせます。

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